事業等のリスク

當社グループの事業その他のリスクについて、投資家の判斷に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下の通りです。

當社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、投資家の判斷に影響を及ぼす可能性があります。なお、將來に関する事項が含まれていますが、當該事項は2021年3月30日現在において判斷したものです。

<短期~中期のリスク>
1. 市場の経済狀況

當社グループの製品に対する需要は、建築?建材業界、自動車業界、電子?ディスプレイ業界、及び化學品業界等の市場動向の影響を受けます。また、當社グループの製品販売地域は、日本、アジア、アメリカ、ヨーロッパをはじめ、多岐にわたっており、各國?地域の経済狀況は當社グループの製品の販売に影響を與えます。當社グループは、生産性の向上を図るとともに、固定費?変動費の削減を推進し、事業環境の変化に影響されにくい収益體質づくりを目指していますが、これらの関連業界の需要減少や販売地域での景気減退が、販売數量の減少や価格の下落を通じて當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

セグメントごとの狀況は、以下のとおりです。

①ガラス
ガラスセグメントでは、日本?アジア、歐州、米州のそれぞれに開発?生産拠點を構築し、グローバルに製品を提供しています。建築用ガラスの需要は、地域ごと、國ごとの景気により変動する建設投資に連動しており、同事業の収益も當該需要変動の影響を受ける可能性があります。また、自動車用ガラスの需要は、地域ごと、國ごとの景気変動等に連動する自動車生産臺數の影響を受け、同事業の収益も當該需要変動の影響を受ける可能性があります。

②電子
ディスプレイ事業の製品は液晶TV、スマートフォン、タブレット端末等に使用されています。同ビジネスについては、市場動向の変化、顧客のマーケットシェアの変動等が起きることが想定されます。當社グループは顧客ポートフォリオも考慮し拡販に努めていますが、市場や顧客の動向が同事業の収益に影響を與える可能性があります。電子部材事業については、半導體業界、オプトエレクトロニクス業界等に関連する企業が主な顧客です。これらの顧客の業績は、半導體、スマートフォン、通信インフラ、産業機器等の市場動向に依存するため、同事業の収益もこれらの市場動向の影響を受ける可能性があります。

③化學品
クロールアルカリ製品については、日本及びインフラ整備が進展する東南アジアを中心に生産拠點を構築し、事業を展開しています。當該製品の需要は、主に地域ごと、國ごとの経済成長率や基幹産業の稼働狀況に連動しており、同事業の収益も當該需要変動の影響を受ける可能性があります。フッ素?スペシャリティ事業においては、輸送用機器業界や半導體業界、建設業界に関連する企業が主な顧客であり、同事業の収益もこれら業界の市場動向の影響を受ける可能性があります。ライフサイエンス事業においては、醫薬?農薬業界の経済狀況及び新薬等の開発狀況の影響を強く受け、同事業の収益もこれらの動向の影響を受ける可能性があります。

2. グローバルな事業展開

當社グループでは、日本における事業活動に加え、製品の輸出入及び海外における現地生産等、海外においても事業活動を展開しています。これらグローバルな事業展開に関するリスクとして、事業を展開している國及び地域における政治経済情勢の悪化、輸出入?外資の規制、予期せぬ法令の改変、治安の悪化、國家間の経済制裁、テロ?戦爭?感染癥の発生その他の要因による社會的混亂等が考えられます。當社グループとしては、當該政治経済情勢や各國?地域の規制の動向等について注視し、狀況に応じた対応がとれるよう努めていますが、これらの事象の発生により、海外における當社グループの事業活動に支障をきたし、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

3. 競爭優位性及び新技術?新製品の開発?事業化に係るリスク

當社グループが展開する各事業においては、當社グループと同種の製品を供給する競合會社が存在します。當社グループでは、競爭優位性を維持できるよう、顧客ニーズの把握、新技術?新製品の開発?事業化に努めていますが、技術や顧客ニーズの変化に適切に対応できなかった場合や、新技術?新製品の開発?事業化期間が長期化した場合には、當社グループの成長性や収益性を低下させ、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

4. 製造に係るリスク

當社グループでは、全ての工場設備の予防保全に努め、設備の安全審査、保安管理體制等の強化を図るとともに、外部に製造を委託した場合には、事業継続の観點から複數の委託先の確保に努めています。しかしながら、當社グループ又は當社グループの製造委託先において重大な生産トラブル等が発生し、一時的又は長期にわたる生産の中斷等があった場合、製品によっては代替生産できないものもあり、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

5. 資材等の調達

當社グループの生産活動で使用している電力、燃料ガス、重油並びに原材料の価格変動等が生じた場合、當社グループの業績及び財務狀況に影響を及ぼす可能性があります。當社グループでは、一部原燃材料については商品デリバティブ取引等により価格変動リスクをヘッジしておりますが、原燃材料価格の上昇による影響を完全に排除できない可能性があります。また、當社グループの生産活動では、一部調達先が限られる特殊な原料、資材等も使用しており、代替材料の検討並びに當該原料?資材等の複數購買の推進に努めていますが、これらについての供給の逼迫や遅延、価格変動等が生じた場合、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

6. 公的規制

當社グループが事業活動を行っている國及び地域では、投資に関する許認可や輸出入規制のほか、商取引、労働、特許、租稅、為替等の各種関係法令の適用を受けています。當社グループでは、関係法令の改変動向を注視し、情報収集に努めるとともに、関係法令の改変は、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

7. 環境規制

當社グループでは、グループビジョンである「私たちの価値観」の一つに「環境」を定め、環境に関する各種法規制を遵守するとともに、より厳しい化學物質管理基準を獨自に設定し運用するなど、事業活動により発生する環境負荷抑制に努めています。また、溫室効果ガス排出量削減、廃棄物埋立処分量最小化、生物多様性保全などにも取り組んでいます。
しかしながら、當社グループの製造工程で排出または製品に含有した化學物質等により非意図的な環境汚染等が発生した場合、浄化処理、損害賠償等にかかる費用が必要となるなど、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動、資源循環、環境汚染防止、化學物質管理、水リスク対策、生物多様性保全など地球環境課題解決に対する企業の社會的責任の高まりに伴う新たな法整備への対応が必要になると考えられます。具體的には、法遵守や各種規制値を満たすために必要なコスト増、生産規模縮小、生産効率低下などが余儀なくされるなど、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

8. 製造物責任

當社グループは、製品の特性に応じて最適な品質を確保できるよう、全力を挙げて取り組んでいますが、予期せぬ事情により大規模なリコール等に発展する品質問題が発生する可能性が皆無とはいえず、この場合、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

9. 知的財産権

當社グループでは、現在の事業活動及び將來の事業展開に有用な知的財産権の取得に努める一方、第三者の知的財産権や事業狀況の調査を行い問題の発生の防止を図っています。しかし、第三者から知的財産に関する訴訟等を提起されたり、第三者が當社グループの知的財産権を侵害したりする可能性は皆無とはいえず、この場合、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

10. 訴訟?法的手続

當社グループは、國內及び海外事業に関連して、訴訟等の対象となるリスクがあり、現在、當事者となっている訴訟等もあります。これらの訴訟等において、當社グループにとって不利な結果が生じた場合には、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

11. 事故災害、自然災害?感染癥等の影響

當社グループは、組織的な環境?保安防災?労働安全衛生管理體制の構築と運用及び設備の安全化や點検?保守管理により、労働災害及び生産設備等の事故防止に取り組んでいます。しかしながら、重篤な労働災害や重大な火災?爆発?漏洩事故等の不測の事態が発生するリスクが考えられます。
また、當社グループは、自然災害?感染癥等が発生した場合に備えて、グループ內の主要拠點においては、地震?強風?洪水?感染癥等に関するリスクを評価し、ハザードの高い拠點では事業継続計畫を策定しております。しかしながら、事業継続計畫の想定を超えた大規模な地震?臺風?洪水等の自然災害や未知の感染癥により、事業活動の中斷、生産設備への被害、交通遮斷による製品輸送停止など、不測の事態が発生するリスクが考えられます。
當社グループ又は當社グループの構築するサプライチェーンにおいてこれらの不測の事態が発生したことにより、一時的又は長期にわたる生産の中斷があった場合、製品によっては代替生産できないものもあり、お客様への供給に支障が生じる可能性や、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響と対応については以下のとおりです。
當社グループでは、新型コロナウイルス感染拡大へ対応するため、2020年1月に、社長執行役員を本部長とするグループ対策本部を立ち上げ、グループ全體の狀況を迅速に把握し危機に対応してきました。現在、各國、地域の政府や自治體の指導に従い、従業員とその家族の健康と安全確保及び社外への感染拡大防止に取り組みながら、事業を継続しています。
2020年2月以降の感染拡大に伴い、當社グループにおいても複數の事業において需要が減少するなど業績に影響がでており、詳細は、「3 経営者による財政狀態、経営成績及びキャッシュ?フローの狀況の分析(1)経営成績等の狀況の概要」に記載しています。提出日現在においては、當社グループの業績は緩やかに回復すると見込んでいますが、依然として先行きは不透明な狀況であり、今後の狀況によっては、當社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。當社グループとしては、需要に見合った生産體制の構築、経費削減と投資のメリハリを強化するなどの収益改善策を実施してまいります。

12. 為替レートの変動

當社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売が含まれています。各地域における売上、費用、資産を含む現地通貨建の項目は、連結財務諸表の作成のために円換算されています。換算時の為替レートにより、これらの項目は現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。また、當社グループは、日本をはじめとする世界各國の生産拠點で生産活動を行っており、その製品を複數の國に輸出しています。各國における生産及び販売では、外貨建で購入する原材料や販売する製品があります。したがって、為替レートの変動は、購入する原材料の価格や販売価格の設定に影響します。當社グループでは、短期的な為替レートの変動に対応するためヘッジ取引等の対策を講じるとともに、グローバルに生産拠點を配置して生産を行うなどリスクの軽減に努めていますが、大幅な為替レートの変動の結果、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

13. 退職給付債務

當社グループの退職給付費用及び債務は、年金資産の運用収益率や割引率等の數理計算上の前提に基づいて計算されています。年金資産の運用環境の悪化により前提と実績に乖離が生じた場合等は、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

14. 有形固定資産、のれん及び無形資産の減損

當社グループの連結財政狀態計算書に計上されている有形固定資産、のれん及び無形資産について、今後、収益性の低下等により回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には減損損失が発生する可能性があり、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。
特に、ガラスセグメントに屬する歐州自動車用ガラス事業においては、主に新型コロナウイルス感染拡大に伴う自動車生産臺數の減少によって営業損益が悪化しており、有形固定資産(77,769百萬円)が屬する資金生成単位に減損の兆候が認められています。また、電子セグメントに屬するディスプレイ用特殊ガラス等においては、市場の変化に起因して営業損益が予算よりも悪化しており、有形固定資産(13,232百萬円)が屬する資金生成単位に減損の兆候が認められています。これらに対して減損テストを実施した結果、減損損失は認識していませんが、今後の市場の経済狀況等の影響を受けます。

15. 情報セキュリティ

當社グループの事業活動における情報システムの重要性は非常に高まっており、システムやデータ等の情報資産の保護に努め、またセキュリティインシデント予防対策及び発生時には影響を最小限に抑える対策を講じていますが、災害、サイバー攻撃、不正アクセスその他不測の事態により、重要な業務の中斷や機密データの漏洩等が発生した場合、當社グループの業績及び財務狀況に大きな影響を及ぼす可能性があります。

<長期のリスク>
1. 気候変動問題への対応について

2015年のパリ協定合意以降、脫炭素化の流れが加速しており、エネルギー関連政策?法規制の厳格化が想定されるとともに、企業に対する溫室効果ガス排出の実質ゼロ実現への社會的要請が強まっています。當社グループとしても、當該リスクを見據え、2050年のビジョンとして「自社の事業活動に伴う排出量ネットゼロを目指すとともに、製品?技術を活かして世界のカーボンネットゼロ実現に貢獻」することを定めています。當社グループは、2050年のビジョン達成に向け、溫室効果ガス排出量の少ない製造技術?設備の開発など、溫室効果ガスの排出源に応じた削減策の実施に努めるとともに、本項目を重要機會とも捉え、製品ライフサイクルにおける省エネ?創エネ効果を有する製品の拡販、再生可能エネルギー普及に寄與する事業モデルの構築などに努めてまいります。

2. 資源の有効利用について

レアアース等の枯渇性資源に関する利用規制の厳格化や都市化の進展に伴う水資源需要の増加による生産活動への影響が想定されるとともに、循環型経済の加速に伴う廃棄物削減?リサイクルの社會的要請が強まっています。當社グループとしても、當該リスクを見據え、再生原材料や再生資材の活用、埋立て処分の削減に努めるとともに、本項目を重要機會とも捉え、水不足地域における地下水?雨水浄化に寄與する製品の拡販、枯渇性資源使用量の少ない製品?生産プロセスの開発、リサイクル?リユース性に優れた製品の拡販などに努めてまいります。

3. 社會?環境に配慮したサプライチェーンについて

サプライチェーンのグローバル化?複雑化に伴い、サプライヤーや外部委託先における強制労働?児童労働等の違法雇用問題の発生や、環境規制強化等による操業停止、規制違反等の発生が想定されます。當社グループとしても、當該リスクを見據え、環境負荷低減などの取組みを推進するなどサステナブルな調達等を定めた「AGCグループ購買取引基本方針」に加え、サプライチェーン全體での付加価値向上に取り組み、既存の取引関係や企業規模等を超えた連攜により取引先との共存共栄の構築を目指す「パートナーシップ宣言」を表明し、人権尊重?環境保護を重視したサプライヤー管理に努めてまいります。

4. 公正?平等な雇用と職場の安全確保について

雇用におけるコンプライアンスや労働者の人権尊重の動きや、未熟練者や高齢者の増加に伴う製造拠點の安全対策の必要性が高まっています。當社グループとしても、當該リスクを見據え、従業員エンゲージメントの向上、重篤災害?休業災害の発生防止に努めてまいります。

5. 地域社會との関係?環境配慮について

世界各地での都市化進展による生活圏拡大や周辺の生物多様性維持への関心、新興國での生活水準向上に伴うQOL(生活の質)向上への意識が高まっています。當社グループとしても、當該リスクを見據え、水使用量の削減や生物多様性の保全、環境事故の撲滅に努めるとともに、拠點設置地域との良好な関係構築を進めてまいります。

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